風力発電機には大きく分けて二つある。
「揚力形」と「抗力形」だ。
普段よく見る、白くて三枚羽根の風車は、揚力形だ。あれを、プロペラ型風車という。他にも、揚力形はダリウス型などがある。
一方で、サボニウス型や多翼型、オランダ型は、抗力形だ。
揚力っていうのは、風車の羽根一枚を真横に見ると、
・羽根の上側: 周囲より風圧が低い
・羽根の下側: 周囲より風圧が高い
よって、羽根の下側から上側にかけて、羽根を持ち上げて回転させる力が働く。
これを揚力という。
一方で、風が強いときに傘を差すと、傘が押される力が働く。
これを抗力という。
揚力形の風車は、回り始めは抗力で回転し、勢いがついてくると揚力で回転する。
これからの課題は、揚力形風車の改良ではないか?
プロペラ型の細い三枚羽根の風車は、羽根の真ん中を中心にして円を描くと、円内の羽根の占める面積(ソリディティ)はそう多くない。
だから、速く回る。
パワーは大きい。トルクは小さい。
一方、多翼型風車(抗力形)は、円内の羽根の占める面積は、ぎっしり詰まっていることになる。
だから、遅く回る。
パワーは小さい。しかし、トルクは大きいので、粉挽きなどの力を使うためならちょうどいい。
だから、未来には揚力形風車をうまく改良して、
近代都市には風車のたくさん回る景色があるといいかな、と思うんだ。
一応、羽根(ブレード)の枚数とその影響について書いておく。
・回転速度
ブレードの速度が70〜80m/sを超えると空気騒音が増える。
ブレード枚数が少ないと回転速度が増え、多いと回転速度が低くなる。
・効率
どんなに頑張っても、風のエネルギーの59.3%までしか取り出せない。
2枚、3枚ブレードは、高効率。
・風から受ける荷重のアンバランス
地表近くは地面の影響を受けて遅く、上に行くにつれ風速は高くなる。
1枚 or 2枚ブレードの風車は、真ん中をティータハブ(シーソーのように揺れる)にして回転面を傾けることにより、うまくエネルギーの損失を抑えている。
・ブレード荷重
数多くのブレードで荷重を分担すると、一枚あたりの荷重を減らせる。
で、
よく見かける「白くて三枚羽根のプロペラ型風車」の素材は、下記のように出来ている。
ブレード(羽根): 繊維強化プラスチック
ハブ(羽根の中心): 鋳鋼
タワー: 鋼板(モノポールタワー)