Facebookに投稿した文。美しい言葉。

 

「一つ以上の音栓をもった深みのある人間」

 

キルケゴール「反復」より、引用。
註釈より、
「出てくる音が単一でなく、いろんな音色をもっているということ、つまり人間が単純でなく複雑なこと、むしろ底の知れないような深さをもっているという意味。」

 

引用文:
「かれこれ一年ばかりも前のことであろうか、その前からすでに幾度か接したことのある一人の青年をわたしは本気で注目するようになった。彼の美しい容姿、深い情熱をたたえた彼の眼差しがわたしをほとんど魅惑したのだった。一種の気取りとも見える頭の反らし方、奔放な話しぶりは、彼が一つ以上の音栓をもった深みのある人間であることをわたしに確証した。」