最後の歌は私のFacebookに載せておいた。
かくばかり経がたく見ゆる世の中に うらやましくもすめる月かな
(この慌ただしい世の中にある、羨ましくも澄んだ月がある。)
水の面に照る月なみを数ふれば こよいぞ秋の最中なりうる
源順(みなもとのしたごう)
(水面に映る月を見て、今の月日を数えてみれば、今日は秋の最中である十五夜であった。)
古とのねに峯乃松風かよふらし いづれのをよりしらべそめけむ
斎宮女御(さいぐうのにょうご)
(琴の音に、峯の松風が共鳴している。どこの琴の緒(弦)から発し、どこの山の尾(峰)から響き始めて、混じり合っているのだろう。)