ルドヴィーク・ストジェダ著「フルートから出たひばり」 一部翻訳 。

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チェコ語の絵本を一部翻訳しました。

1984年なので、チェコスロバキア共和国の時代ですね。

(以下、本文)

 

ルドヴィーク・ストジェダ著「フルートから出たひばり」。

(Ludvík Středa "Skřivánek z Flétny")

 

第8章「言葉(Slovo)」、p.27~28

 

私は机のそばに座り、おとぎ話を始められるように白紙の上で言葉を探していた。ある奇妙な、とても奇妙な言葉を。何かトカゲのような。あるいはシヴォホルプ。

シヴォホルプって何だ?恐らく、私たちのそばの屋根に座っている灰色の鳩(シヴィ・ホルプ)だが、結局のところ今は全く関係ない...

そうして私が言葉を探している最中に、誰かがドアをノックした。そして、私はいつものようにこう言った:「今日は休みです!」

「私は言葉です...」と紹介されたその言葉は、もう既に使われていた。

「言葉、言葉...しかし、どんな言葉?」

「雀という言葉が、失礼します...」

そのような言葉が現れるのを最後に見たため、今だけ紙から目を離したが、しかし何も見なかった。そのため、むしろ私は尋ね続けた。

「それとどうします?私はあなたから何か借りてますか?もしくは...確かに私は雀(vrabec)の代わりに間違ってブラベッツ(brabec)と書きました、ですよね?」

「そのようなことは何もございません。私はあなたに会いに来ました。なぜなら、温まりたいからです。外は少なくとも-7です。」

私は窓の外を見た、ブルブル...!外はだいたい氷点下7度以下だった。

「お茶を淹れてきます...なので、座って寛いでいて下さい...」

私は椅子を指さした。

しかし、私が机から立ち上がる前に、言葉がはっ!と手のひらに落ちてきた。

そしてそれを入院させるように静かに包んだ:

「お茶を淹れないで下さい、その方が良いのです...」

それは恐らく正しかった。

私はそれら全てを、冷たくて脆いものと感じた。

どのようにゆっくり温まっていくかを感じた。

言葉がどのように私を温めるかを感じた。

すぐに私は、翼竜と灰色の鳩を頭の中から手放した。そしてその言葉はどうやら気づいたようだ、なぜなら私にささやきかけてきたから:「屋根の上の鳩よりも、手のひらの雀の方が良いですか?」

「アドバイスありがとう...」私は話している、雀の王についてのおとぎ話をページ全体で伝えたときに。

そして私はどのような答えを得たか?

「何もない。私たちは結局、お互いを助け合わなければならない...」

そのような目立たない、一般的な言葉で何が出来るのか!

あなたにも既にこのようなことが起こってはいませんか?

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