図書館で借りた、竹内清秀「風の気象学」。
東京大学出版会の本です。
ちなみに、廃版なので買うと高い。
そしてこの本、説明が不親切すぎて、危うく最初の数ページで挫折する所でした。
理系の本は、だいたいが説明不親切。
(引用 p.10)
安定成層のとき ∂Θ/∂z>0
中立のとき ∂Θ/∂z=0
不安定成層のとき ∂Θ/∂z<0
(引用、終わり)
私は、ここで使われているΘとzの記号が、まず意味不明でした。
理系初心者の私がこの式の意味を理解するのに、3日以上はかかりました。
以下は、この本には書かれていないことであり、私の推測です。
まず、この「Θ(シータ)」という記号は、気温という意味ではありません。
Θとは温位のこと。
つまり、「その場所の空気を1000hPaにした時に、温度が何度になっているか?」ということを、「温位(単位はケルビン)」と言います。
次に、「z」とは高さのことであり、前ページに書いてあるように「大気の厚さ」という意味ではありません。
普通、x軸はまっすぐの向き、y軸は横の向き、z軸は高さの向きを表わします。
なので、恐らくこれは高度のことです。
となると、この式は「温位を高度で微分する」という意味になります。
温位は「~度」という単位ですが、ここでは曲線を描くグラフのこと。
つまり、「高度が高くなっていくごとに、温位が何度になっているか?」というグラフがあるはずなんです。
微分のグラフを考えてみて下さい。
グラフの傾きのことを。
微分して0以上になるのは、グラフが斜め上に上がっていく状態ですよね?
逆に、微分して0以下になるのは、グラフが斜め下に下がっていく状態ですよね?
そうなると、高い場所になればなるほど、温位のグラフが「斜め上に上がっていく」のが、天気が安定して晴れが多い、ということになります。
逆に、高い場所になればなるほど、温位のグラフが「斜め下に下がっていく」のが、天気が不安定で雨が多い、ということになります。
・「高い場所になれば、温位が上がる」というのが「安定」
・「高い場所になっても、温位がそのまま」というのが「中立」
・「高い場所になれば、温位が下がる」というのが「不安定」
この「高い場所になればなるほど温位が上がれば、天気は安定する」という説明は、他のサイトにも書いてあることです。
しかし、これを数式に絡めて理解することは、簡単なサイトを見ただけでは出来ません。
ちなみに、∂(ラウンド)というのは、普通に微分のdだと思ってもらって結構です。
今回の式にはxだけではなく、x,y,zという3つの軸があります。
その時、とりあえずzで微分してxとyはそのままにしておこうとなった時、いつも使っているdが∂という記号に変わるだけです。
これを偏微分と言います。
私はこれを機に、この本を買うかもしれません。
しかし、挫折して他のことをやるかもしれません。
どちらになるかは、まだ分かりません。