「牧神の午後への前奏曲」の意味を知りたかったら、「半獣神の午後」という詩を読むべき。

(Facebook投稿記事)


ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」の意味を知りたかったら、マラルメ「半獣神の午後」という詩を読むべきでしょう。


お勧めは、加藤美雄訳「全訳マラルメ詩集」。

解説が親切な本であり、訳者はかなり苦心して翻訳したのだと思います。

神保町の田村書店にて、200円で売っています。

その書店の入り口にある安物のコーナーに置いてあります。

私は田村書店のおばちゃんから「マラルメね、良いの見つけたね」と言われました。

(なお、アマゾンで買うと2600円もします。もしそこしか読まないなら、図書館で借りた方が良いでしょう。)


ギリシャ神話にて、パンの神(半獣神・牧神)が、ニンフ(森や川などにいる妖精)シュリンクスを誘惑した際に、逃げたシュリンクスが咄嗟に葦に姿を変えて、その葦に風がそよぐと良い音が鳴ったため、パンの神は葦を蝋で固めてフルートを作ったという話があります。

それがマラルメの詩になると、ニンフ同士のレズビアンたちが抱き合っている所に、パンの神がその片方であるシュリンクスを誘惑し、怒りながらもパンの野性の愛に屈する、という話になっています。

ドビュッシーが曲にしたのはこのマラルメの詩の方であり、詩の流れに沿って作曲されています。