マラルメ「無題のソネット」

(Facebook投稿記事)


マラルメ「無題のソネット


われわれが徐々に吐きだすとき

ほかの輪となって消えうせた

煙のいくつかの輪のなかに

縮図となった魂はおよそ


火の明瞭な接吻で

灰が落ちさえすれば

ものしり顔に燃えている

なにかの葉巻を証している


同じく小詩群(ロマンス)の合唱が

お前の唇へかけのぼるとき

もしも現実から始めたいなら

安っぽいのは締めだすべきだ


余りに正確な意味合いは

お前の曖昧な文学を抹殺するからだ


(18958月以前)


「全訳マラルメ詩集」加藤美雄訳、p.223Hommages et Tombeaux(頌と墓)より。