アンリ・ド・レニエ「水の祭典」

(Facebook投稿記事)

 

ラヴェル「水の戯れ」という曲の元ネタになった詩を翻訳しました。

ラヴェルはその詩の一節である「水にくすぐられて笑う川の神」から着想を得て作曲したらしく、楽譜にはその文が添えられています。

 

(本文)

 

「水の祭典」アンリ・ド・レニエ

 

イルカ、ヤモリ、太ったカエル

ダイヤモンドのような泡と、金色をした裸のレートー()

亀の背に乗った海神、

水にくすぐられて笑う川の神;

 

水たまりは静まったり、濡らしながら吐き出したりし、

下降する一面の水は、膨れたり縮んだりし、

そして湿った砂塵は彫像を玉虫色にし、

真珠を泡で飾ったり、錆を明るくしたりする;

 

祭りの全てが水とクリスタルと喜びによるもので

絡み合い、笑い、散り、粉になり

魅惑の公園で夕暮れとともに静まり返った;

 

そして静けさの中で湧き出るのを見ると、

再び鏡になったプールの傍に、

イチイの噴水とヒノキの噴流が。

 

(レートー)

ギリシャ神話に登場する女神で、ローマ神話ではラートー。水を飲もうとしたレートーを村人たちが池に足を入れて泥沼にし邪魔したため、レートーの祈りによって村人たちは蛙になった。