児玉桃「メシアン: 鳥のカタログ」が届いた。

今、やっと3曲聴いた所。

なぜそんなに遅々としているかというと、曲ごとの解説(作曲家のメシアン本人が書いたもの)を読んでいるから。

加えて、曲ごとの鳥について画像検索したり、その野鳥の動画を見て鳴き声を聴いたり、その設定上の風景を画像検索したりしているから。

これらの作業はその一曲を聴く前に行うべきで、曲を聴きながら解説を読んだりしてはいけない。

少なくとも、CDを買ったばかりで最初に聴く時は、曲を聴くことに集中出来るようにすべきで、他のことを並行してやってしまうと、作業中の脳内におけるその曲のその部分だけが飛ぶから、他のことをやってはいけない。

(私は女性みたいに、色んなことを並行して出来る脳は持ち合わせていないから。)

 

例えば、1曲目のキバシガラスはアルプスが舞台だけれども、3曲目のイソヒヨドリはフランスの海辺が舞台なんだよね。

しかも、実際にメシアンが足を運んで採譜したという。

もちろん、その曲たちには他の鳥たちの鳴き声も登場するから、厳密に言うとカタログというよりは風景画だよね。

(例えば、3曲目の「イソヒヨドリ」という曲には、カモメの鳴き声なども登場する。)

鳥の鳴き声をピアノ旋律に置き換えた所は、とりあえず音の高さだけはだいたいそのくらいになっている模様。

ソプラノで鳴く鳥だけでなく、アルトっぽい声の鳥もいたりして、ちゃんとそのくらいの高さの音で書かれている。

 

そこまで詮索する価値があるんですか?って、あるよ。

メシアンの曲は、とてつもない形而上への欲に動かされた、とてつもない深みを持っているから。

そして、児玉桃さんの演奏ではなかったら、ここまでメシアンに嵌まることはなかった。

「鳥のカタログ」も「幼な児イエスに注ぐ20の眼差し」も元々知っていたけれど、今回、児玉さんの演奏を聴いて初めて「こんなに良い曲だったんだ!」と思えたから。