芥子に対する偏愛持ちの私は今日、東大和市駅から徒歩3分で行ける東京都薬用植物園に行って来た。
初めてマリファナと芥子の実物を見た感想は、初めてクリムトの絵の実物を見た感想に等しい。
「あ、いるな。」っていう程度の、しょぼい感動だった。
本やネットで見る画像とあまり変わらなかった。
もしも道端辺りで芥子が目の前に自生していたら、その立体的な姿や感触、匂い、そして乳液から滲み出る阿片の独特な酔い、嬰児退行、神秘、そして苦く青臭い後味などに、かなり感動したと思う。
しかし、今回のは枯れた芥子を遠目にバリケード越しに見ただけだ。
バリケードは二重になっていて、蚊帳のような青い繊維の素材で出来ていた。
せめて視覚だけでも満足したかった。
ちなみに、クリムトの話が出たのでついでに言うが、今回の上野のクリムト展、有名なのはユディトぐらいだった。
接吻もダナエもなかった。
ユディトも、本やネットで見る画像と大差がないように感じた。