今日は一睡もできなかった。

そして、夜明けとともに黄金色の日差しが網戸を隅々まで染めるのを見て、心がその光に同期したかのように震えていた。

なぜ人は夜明けの太陽に心を動かされるのだろう。

 

日常に転がっていることがある、美しいものを数えてみる。

黄金の日の出、月の光の緑の波、マンションに植えられ雨露で湿ったローズマリー、朝の匂い、タバコの味、夜のかすかに聴こえてくるジャズの音、綺麗な蛇口から出る水の戯れ・・・