ミッシェル・セール「アトラス」を読んでいたら、ギ・ド・モーパッサン「オルラ」を読めと書かれていたので、モーパッサン短編集Ⅲの中からオルラだけを読んだ。

オルラとは、主人公に取り憑いた幽霊のような謎の存在で、主人公を苦しめるため、最終的には自分の家を燃やしてオルラを殺そうとするが、主人公は最後にこう言う、

「この俺が死ななければ、あいつは死なない!」と。

一説によれば、オルラを書き始めた頃からモーパッサンは精神病を発症し始めたのだと言われる。

あるいは霊障かもしれない。

しかし、モーパッサン自身は「私は正常だ」と言っていた。


この本、面白いかというと、そこまででもない。

なお、モーパッサンの有名な小説「手」も、この短編集Ⅲに収録されている。