(Facebook投稿記事)

 

 

ボードレールは、無神論者ではありません。
彼は本来、敬虔なカトリック教徒だったはずですが、中学時代に周りが無神論者ばかりだったために歪められ、そこから弁神論などの独特な神学思想を心に持ち続けていたそうです。
また、スウェーデンボルグの神秘思想にも興味を持っていたり、霊魂や、悪魔の存在を認めていたりもしました。
36歳で初版が刊行された「悪の華」は、主にキリスト教的ペシミスムを母体として書かれていますが、最初にそれを読んだ司祭に「今すぐそれを燃やせ!」と激怒され、彼は「この詩集はキリスト教思想が母体であることに気付いてもらえなかった」と落胆したそうです。
彼の心の中は生涯孤独だったと自身で語っており、だからこそ神秘に惹かれていったとも語っています。