アルベール・ジロー「サタン」

(Facebook投稿記事)


アルベール・ジロー「サタン」。


詩集「神々の花輪(La Guirlande Des Dieux)」より。

日本語での翻訳はまだありません。

なお、古フランス語のassouvie(満足、和らげる)という単語が出て来て戸惑いました。


(本文)


「サタン(Saturne)


おお、額にサタンの印が付いている同胞よ!

苦い理想に取り憑かれた秋の子よ!

君の夜行性の精神による奇妙な啜り泣きは

海上の月光のように、どのように広がるのだろうか?


君の周りの栄光は、その魔法の花々を開く;

物乞いの愛は、香水のように彷徨う;

しかし君はその懐古の視線を、どこか別の場所に向ける

死者の後悔を少しでもましにするために!


そして運命のときには、人生の相棒が、

美しい夢への口づけを、腕の中で君は投じる、

君の肉体はキメラを優しく抱くが、

思い知らせてやるために、そいつを許すな!


おお、惨めな恋人よ!おお、苦しみの原因に

悦びを見出す気違いな獣よ!

私は君の心に苦しみの幸福を見出す

死にたくないせいで、愛に溢れた私の心は死んだ!