(Facebook投稿記事)
青柳正規「人類文明の黎明と暮れ方」、読了。
「興亡の世界史シリーズ」第0巻です。
ホモ・エレクトゥスから始まり、旧石器時代、新石器時代、イースター島、シュメールのメソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河・長江文明、アンデス文明、古代地中海文明、ローマ時代の走りへと続いて、今回はここまでです。
まあ、私は古生物学のシリーズ「生物ミステリープロ」を全巻読んだため、その続きの時代ということになります。
なお、これらの世界史をこの一つの記事にまとめるのは困難なため、個人的に印象に残った所だけを述べます。
さて、イースター島と聞くとモアイ像が思い浮かぶでしょう。
しかし、実際のイースター島の歴史は結構えげつないです。
バナナの木を切って舟を作って漁業などをしていた島が、だんだん食料難になっていった際、その先は恐らく想像が付くことと思われます。
そう、部族同士で殺し合いが発生し、勝った部族は負けた部族のモアイ像を破壊して、自分たちのモアイ像を立てました。
そして、人肉を食べるのです。
恐らく、渋谷にモアイ像を立てた人は、このえげつない歴史を知らなかったのでしょう。
また、時代は飛んで、初めて農耕が発生した話をします。
西アジアで1万1千年前という早い時代から農耕が栄えた理由としては、食料の不足がありました。
そして、日本の縄文時代に農耕がなかった理由としては、物や食料が豊かだったために農耕をしなくても生きて行かれたのが理由なのです。
つまり、縄文時代は決して他の文明に遅れていたわけではなかったのです。
そして、四大文明。
これらは全て、水を確保するために大河の近郊に発生しております。
この中で一番栄えたのはメソポタミア文明であり、一番安定して平和が続いたのはエジプト文明です。
(なお、筆者の青柳さんは「四大」文明という言い方が嫌いだそうです。)
メソポタミアには最古の帝国であるアッカドが誕生しますし、他の地域と戦争をするなど結構激しいことも多かった模様。
結局、気候変動による塩害によって衰退しました。
一方、エジプト文明は、ファラオを神に支える王として存在し、物資も豊かだったので平和で、長く続きました。
しかし、平和だったがために軍備が弱くて攻められたため、衰退しました。
黄河文明には、天と地を司る神への神殿が建設されたり、神具が発見されるなど、王と神が同一視されたわけではなかったものの、この頃から人々の中に信仰心はあったようでした。
ただ、実はインダス文明だけが、未だによく分かっていないことが多いのです。
インダス文明といえば、石造りのモヘンジョ=ダロ。
そこには排水溝がありました。
しかし、この排水溝の構造から考察するに、何に使われたものなのかが未だに分かっていないとのことです。
このように、モヘンジョ=ダロには謎という名のロマンがあるのです。
そして、黄金の豊かなミノア文明と、その次に興ったミケーネ文明などなど…
まあ、これ以上書くとかなり長くなってしまうので、この辺にしておきます。
私は図書館にて、この本への直感からのワクワク指針が働いたため、Amazonで調べて文庫本が出ていることを知って購入した次第ですが、確かに全体としてこの本はかなり読みやすく、面白いです。
学校で山川の世界史教科書ぐらいしか読んで来なかった私は、今までの世界史勉強法がいかにつまらなかったかを実感したほどです。
https://www.amazon.co.jp/興亡の世界史-人類文明の黎明と暮れ方-講談社学術文庫-青柳-正規/dp/4065116430/ref=asc_df_4065116430/?tag=jpgo-22&linkCode=df0&hvadid=285851262857&hvpos=&hvnetw=g&hvrand=6856778391543819938&hvpone=&hvptwo=&hvqmt=&hvdev=m&hvdvcmdl=&hvlocint=&hvlocphy=1009306&hvtargid=pla-526175459196&psc=1&th=1&psc=1