家の空気が明るくなった。

母が悲しみを知って、乗り越えて、父との関係が少しずつ改善された。

祖母が亡くなったことにより、母の介護の負担が一気になくなったことが大きいのだろう。

介護が大変だった分だけ、それがなくなると同時に喪失感もあるけど、それによって母の性格が改善されていった。

 

あと、つい最近になってから気付いたんだが。

街中でハハハと嘲笑ってくる人たち、顔を覗き込むようにして嘲笑ってくる人たち、皆、絶滅してないか?

最近気付いたんだが、悪い人たち全般がもう、社会にハブられている感じ。

もうそういうの、古いんだろうね。

まさに水瓶座冥王星だよ。

恐らく、若い女の子を中心として、社会がそのように変わった。

 

で、その伏線で何が起こったかというと、私みたいな男が、前よりもずっと需要が増えた。

つまり、私一人の妄想でなければ、モテ始めたということ。

例えば。

自由が丘の電車内に入って来た、顔は可愛いのに性格キツそうだなぁと思っていた女子大生くらいの子が、ガラスの反射で私と目が合った瞬間に、パァーッと顔が柔らいで嬉しそうな愛の目線へと変わった。

まるで、「私の人生にもまだ希望があったのね!」と言わんばかりの。

それが、私が初めてこのモテ現象に気付いた瞬間だった。

そういうことが他にも結構増えた。

 

次に気付いたのは、神保町。

陰キャ陽キャが同化しているではないか。

つまり、ハハハの陰湿な人たちが絶滅寸前に追い込まれたことによって、陰キャの人たちが戻って来た。

茶店では、カップルの人たちと、一人で本を読んでいるオタクな人たちが、同じ空間でうまくやっている。

「俺たちの神保町」が戻って来た!