メシアン・コンプリートオルガンミュージックの6巻は、「聖体秘蹟の書」。
後期メシアンの作品。
何度聴いても掴みどころが分からない。
この頃のメシアンは「鳥のカタログ」を作曲した後の時代に作られているので、既に鳥の声を曲に取り入れている。
つまりこれは、鳥の声とキリスト教讃歌がベースになっているのが、何度も聴いているうちに頭だけではなく体感として分かって来た。
ちなみにこのアルバム、6巻巻末にはメシアンの曲に使われたことのある「鳥の鳴き声集」が入っており、聴いてみるとなるほどと思わされる。
要するに、この「聖体秘蹟の書」は、一般的な曲の掴みどころ(緊張感と緩和のバランスなど)を犠牲にして作曲している可能性があるということだ。
もしそうなら、こりゃあ掴みどころが分からないわけだ。
これこそが、「自然音から曲を作る」という発想。
ちなみに言うと、ジョン・ケージも掴みどころを犠牲にして作曲している。
この頃には既にケージが有名になった後なので、メシアンはケージの自然思想的な影響を多少は受けていてもおかしくはない。
これが良いのか悪いのかまでは、現段階の私には判断出来ない。