メシアン「鳥のカタログ」について思ったこと。

メシアン「鳥のカタログ」のうち、10曲目コシジロイソヒヨドリは、ジョン・ケージの影響を受けているように思えて来た。

禅の思想というか、「間」の取り方が東洋的。

他の曲に比べて、コシジロイソヒヨドリだけが濃厚にそれを感じる。

ケージは東洋思想の影響を受けているようなので、メシアンは間接的に日本思想の影響を受けている可能性がある。

 

また、13曲目ダイシャクシギは、ショパンなどの幻想曲の影響を受けているかもしれない。

ペダルを踏んでのアルペジオ

ダイシャクシギだけ幻想的な要素が濃厚。

 

また、3曲目イソヒヨドリや、12曲目クロサバクヒタキには、長調による和音で海を表わしている模様。

これは、1曲目キバシガラスのような岩のテーマが破壊的で無調の和音を使い、また、7曲目ヨーロッパヨシキリのような夜のテーマとしてこちらも無調でタムタム(銅鑼)のような和音を使っているのにも、対比される。

(クロサバクヒタキとか言っておきながら、砂漠ではなく海がテーマとなっている。)

 

ちなみに、13曲目ダイシャクシギの一番最後になっている音は鳥の声ではなく、海の波の音だそうだ。(5曲目のモリフクロウの声かと思ったが、違った。)

 

とにかく、「鳥のカタログ」は何度聴いてもダシが取れる。

私は骨の髄までしゃぶる勢いで、飽きるまで聴こうと思っていたのに、飽きるどころか逆に奥へ奥へとハマって行く感じがする。

 

なお、やはり児玉桃さんの演奏が最高。

コダモモさんのメシアンのピアノ演奏を聴いてしまったら、他はもう聴けたもんじゃないって言っても過言じゃない。

 

ちなみに、メシアンのオルガン曲については、やはりハンス=オラ・エリクソンが最高かと思われる。

気持ちの浮き沈みを冷静に抑えていて、いかに嫌な音がしないかということに拘った、引き算の美学を感じるから。

それにより、音楽性が澄んでいる。

私以外の人はあまりハンス=オラ・エリクソンを評価していないみたいだが、それでも私はそう思っている。