歴史的史実に血を通わせて知るためには、外国語文献を読めないとダメみたいだ。
そうしないと、レヴィナスやパスカル・キニャールが批判していた、無機質な歴史(これがよく歴史の教科書になっている)にまで貶められてしまうから。
その時代のその人は実際に生きて感情を持っていたのだから、何年に何が起こったという事実の羅列に貶められてはならないという。
だからこそキニャールは、歴史上人物の史実上の物語を、その人の鎮魂のためもあって書き続けている。
人には必ず、自分史としての物語があるから。
そういったものに必要なのは外国語文献であり、血の通った文献が翻訳されていなかったりすることが多い。
森村あこさんは外国語を読めるので、貴重な歴史研究家の一人。
占星術と史実との絡みが見えていれば、また、歴史の外国語文献を情報として仕入れているのならば、我々とは見える世界が違っていると思う。
また、その世界観を他人になかなか理解されない孤独も常にどこかで抱えているのだろうと思う。
その孤独感は私にすら少しは分かる。
ただ、こんな人が左翼思想に嵌まるなんて、勿体ない話だ。
あ、そういえばこの人、須賀敦子みたいな文章の書き方をするね。