リゲティのエチュードで演奏が上手い人、Spotifyには皆無のようだね。
唯一許せるのがToros Canさんの演奏。
ピエール=ロラン・エマールは、演奏以前にピアノの音自体がダメなのが、惜しい。
エマールはピアノの音に関して物凄く厳しい人なのは知っているけど、その感性自体がダメなのが残念過ぎる。
そして、日本人のリゲティの演奏は、だっさい。
ピアノの音自体もダサいが、演奏もだ。
自動演奏ピアノ並みのダサさだよ。
海外留学しようが賞を取ろうが、日本人独特のダサい演奏をする人たちは、本物の芸術を分かってないよ。
近現代の芸術を理解するためには、せめてレオン=ポール・ファルグの散文詩を原語から自分で訳して読め。
Spotifyにはないけど、一応、リゲティからこの曲集の一部を献呈されたピアニストによる演奏なら、AmazonにCDが売っている。
全曲は演奏されてないけども。
一か八かで買うしかないのか…
https://www.amazon.co.jp/Ligeti-Studies-Piano-Volker-Banfield/dp/B000025R2W#
私は今まで、この中では一番簡単な5曲目の「虹」を練習していたのだが。
今日は初めて1曲目「無秩序」という曲の譜読みをした。
休憩を挟みながら、2時間くらいかけてやっと一巡が終わった。
譜面を見ながら音を鳴らすだけでも、リゲティさんの頭の中が少しは分かってくる。
そして、Wikipediaを見て、ピッチクラスという言葉の意味を知った。
要するに、右手はハ長調で全部白鍵、左手は黒鍵のみの五音音階。
つまり、右手はハ長調のピッチクラスで、左手が五音音階のピッチクラスなわけだ。
何という、現代的な思想。
思想というか、思想とセンスに裏付けされたこの曲自体が傑作品。
これこそが、クラシック音楽の進化形態なんだよ。
そして、リゲティは右手左手で半音同士をぶつけるという手法をよく使うようだね。
(例えば、右手がファの音で、左手がファ♯の音、みたいな。)
もうね、リゲティを上手く弾ける人なんているのか?
せっかく、曲自体は最高に良いものなのに。
ちなみに、リゲティは私が高2の頃までは生きていた。
天才って、過去の偉人だけではなくて、今現在普通にどこかで生きている場合もあるんだよね。
何かもうね、「私が自分で演奏してCDに残すしかないんじゃないか?」っていう思いが、少し血迷っているのか浮かんで来たんだよね。
ラヴェルの夜蛾なんかも上手い人がいなさ過ぎて自分で練習していたんだけど、あれは何とか良い演奏のCDを見つけたから(児玉桃さんの演奏が良かったから)、それで納得出来たんだよ。
でも、リゲティのエチュードは、今のところ既存のピアニストたちの演奏では納得出来ない。
加えて、私のこの思いを分かってくれる人さえもが、私の周りには少ない。
なんか、こういうのって、共感者がいなさ過ぎて孤独を感じる。