(Facebook投稿記事)
Ivo Perelman「Prophecy」というフリージャズを購入しました。
Bandcampというサイトにて、無損失WAV.ファイルのデジタル音源での購入です。
曲目
1.Two (17:49)
2.One (37:21)
楽器編成はペレルマン氏のテナー・サックスと、ギター、チェロのトリオですが、奏者の持ち替えで鈴やコンガが鳴らされたりもします。
なお、TwoとOneは恐らくレコーディングの順であり、曲想や長さなどの理由からそのように順番を入れ替えたのでしょう。
Twoの方は、16分を過ぎるとピアノが4部音符刻みで鳴らされて、どんどん緊張が高まって行くのが分かります。
しかし、より起承転結を感じるのはOneの方です。
Oneの場合、17分の所で第一の盛り上がりを見せ、19分の所でコンガが入り、28分の所で第二の盛り上がりを見せた後、30分の所からは鈴が鳴り、そのまま虚無感のあるエピローグに突入する感じです。
このアルバムは、ペレルマンの最新作にして最高傑作かもしれません。
私はSpotifyに上がっているペレルマンの曲は全て聴くなどしたため、ペレルマンだけでも合計で60枚以上のアルバムを聴いたことになります。
それでもなおこのアルバムが最高傑作と感じられる理由として、それを無理矢理言葉で表すならば、その音楽性の「絶妙さ」にあるでしょう。
とにかく聴いていて苦にならず、その音楽性に無駄がないのです。
未だご健在のペレルマン氏は、後の作品になればなるほど進化して行く傾向があると思えるため、常に最新作に期待をかけられる音楽家であると感じます。
さて、フリージャズを聴く人は少ないと思われます。
しかし、良いフリージャズを何度も聴くことは、私に一生ものの感性を授けて下さります。
難解な音楽というものは、エッセンスがギュッと濃縮されていたり、骨格部分の本質だけが残って一人歩きしていたりするものです。
それは、その良さが分かるまで何度も聴くことによって、奏者の見えている世界がこちらにも少しだけ見えて来ることがあり、それによってこちら側も哲学的な感性のレベルが上がるのです。