(Facebook投稿記事)
クロミミラパンの「ジャーニーズエンド・ウォッシュト」というコーヒー豆。
再びレビューを書きます。
以前は「特に際立った味はなく、その代わりに雑味が一切ない」と書きました。
しかし、今になって舌の感度が成長したため、様々な味わいが分かるようになりました。
ただ、一点の曇りもなく雑味が一切ないというのは本当です。
この恐ろしいほどの雑味のなさこそが、色々な味わいを際立させているのです。
まず、この豆はブルーマウンテンNo.1らしく、酸味は多めです。
そして、どこまでも遠く続いて行く蜜のような甘さも特徴的です。
問題はこの豊かさ溢れる香りなのですが、黒砂糖の香りにも似ていれば、豆らしい香ばしさも含まれており、かつそれらは繊細なため分析しようとすると一瞬で消えて蜜の味に変化してしまうので、現在の私のボキャブラリーではとても表現しにくいと感じます。
この豆は、前に書いた通り「上級者向け」のコーヒーであるのは本当であり、一見すると味の特徴が分かりにくいため、クロミミラパンのコーヒーを飲み慣れている人でないとその良さが理解しにくいと思われます。
しかしながら、私は今になってこのコーヒー豆の魅力に気付きました。
4年間クロミミラパンに通い続けましたが、今回はその甲斐が見い出せた思いです。
さて、マイナス面をプラマイゼロに持って行くのは、「引き算の美学」と呼ばれているそうです。
つまり、それはコーヒー豆にとって、良い味を追求するということよりかは、嫌な味がしないことへの追求となるでしょう。
その引き算の美学によって得られるのは、均した土壌から新芽がぽつぽつ出て来るような、小さな恵みのようなものです。
しかも、小さく感じたとしても、それでしか得られない貴重な恵みです。
雑味によってかき消されていた繊細な良いものが、雑味を取り除くことで、砂漠から一杯の純水を得られるがごとく浮かび上がって来るのです。
もちろん、毎日ハンドピッキングでカビ豆と腐った豆を取り除いて下さるクロミミラパンさんの手間があってこそ、浮かび上がるものでしょう。