モートン・フェルドマン「For Bunita Marcus」について。

モートン・フェルドマン「For Bunita Marcus」について。

(参考: Marc=André Hamelin演奏CD)

なお、この曲はページ1〜36まである。

 

ページ7・ページ17にて、和音的なアルペジオが入り、曲が一時停止したかのようになる。

 

ページ10・ページ25にて、最初の(ページ1の)フレーズが戻って来る。

なお、ページ28でも最初のフレーズが一瞬入るが、すぐにA△9(ラ,ド#,ソ#,シ)へと変わる。

 

ページ22にて、初めて低音域が入る。

これを機に、後の音域の広がりが決定する。

 

ページ26にて、和声に明るさが灯り、不安定さが和らぐ。

そして、ページ27では完全にA△9の和音となり安定するが、このことによりA△9が安定の印となって、後にも何度か使われるようになる。

 

なお、個人的な意見だが、ページ29は最も美しく、かつ最も聴かせどころであると思われる、盛り上がりの場面。


そして、ページ35の末の辺りで、曲が終わろうとすることへの最後の抵抗を見せるがごとく、頻繁に音が鳴るようになるが、それはすぐに静まる。

そして、ページ36にて、G#-9/B(シ,ソ#,シ♭)という不安定な和音のまま終結する。