モートン・フェルドマン「For Bunita Marcus」は、73分間集中して聴くと、全体像が見えて来る。

私はそんな天才的な集中力持続は出来ないので、何回も聴いて記憶に叩きつけるしかないが。

それでも、理想を言うならば、一つの雑念も入れずに73分間聴き通すのが良い。

 

前にも言った通り、CDはこの演奏家がお勧め↓

https://www.amazon.co.jp/Feldman-Bunita-Marcus-M/dp/B06Y3L26GC

 

この曲は、解決和音である「A△9」が、一番美味しい所であり、かつ分かりやすい解決として、メインディッシュにしている。

しかし、それは後半部分にて、ロマン派音楽並みにしつこく出て来る。

だけども、しつこいと思いつつも、聴き終えた後には不思議な満足感が残る。

 

この曲は、(理想を言うならば)一音たりとも聴き逃してはいけない。

なぜなら、全ての音に妥協がなく、全ての音は地続きになっており、全ての音が伏線だからだ。

言葉でざっくり説明すると、そんな感じになる。

でもそれは、実際に何度も聴き続けて分かる境地だ。

 

お勧めは、簡単な分析をすることだ。

自分が気に入った音が、どこのトラック(またはページ、分秒)にあったかを覚えておくこと。

この簡単な分析の積み重ねが、聴く回数が増えていく毎に、だんだん全体像を把握してゆく下地となる。