キニャール翻訳家の小川美登里さんって、私の予想とは違って、決して唯物論者ではないのな。
「ル・アーヴルから長崎へ」のp.175〜p.177では、結構スピリチュアルなことも書いているよ。
メシアンなどの作曲家は、自然への祈りや宇宙との繋がりが根本にあることにより、作曲するのだと言う。
宇宙との繋がり。
あとは、
「大気中の光のおかげで生を享受していると思っていた人間が、身体の内奥に灯された小さな光源に生かされていることにある日突然、気づくようなものだ。」
というのは、日本神道における「分け御霊(わけみたま)」のことにも通ずる。
このような言葉が出て来るということは、この辺りが小川さん自身の信仰心を表わすものなのだろうと予想出来る。
小川「もちろん、ときどきはね。」
キニャールは微笑みで返した。