群像社の本

ロシア文学専門、群像社の本たち。

以下は「アフマートヴァ詩集」の最後のページに載っていた広告です。

 

 

マンデリシュターム詩集

 

エッセイ 対話者について

アフマートワとともにロシア詩に新しい時代を開き、ノーベル賞詩人ブロツキイが自らの「光源」と呼んだ詩人の第一詩集。言葉を石とする詩の建築が20世紀はじめの時代の亀裂に伸び上る。パウル・ツェランに大きな影響をあたえた詩論エッセイを併録。

 

トリスチア エッセイ 言葉と文化 毛皮外套

詩は深い時の層を掘り起こし現代の光をあてる―。過ぎゆく時代の言葉を死に追いやる新しい時代が文化的飢餓におちいっていくなかで、ロシアの原点プーシキン古代ローマオウィディウスをも現代化する詩の発掘力が照らしだす美しい言葉。旧都ペテルブルグの死滅を予感しつつ、言葉の使命と時代を見つめた第二詩集と二つのエッセイ。

 

中平耀 マンデリシュターム読本

ブロークは聴いた、マヤコフスキイは見た、マンデリシュタームは詩を生きた――。20世紀ロシアの銀の時代を代表する詩人を熟読玩味してきた日本の詩人による詩を読むための道案内。処女作から遺作まで百余篇の詩と読書の楽しみと深みにひたる『神曲』論「ダンテについての会話」をおさめた詩人と読者の詩による対話。

 

ヨシフ・ブロツキイ 私人 ―ノーベル賞受賞講演―

詩人という現代の孤独な少数者にとって、残された最善の行為は良い詩を書くことであり、その詩の言葉に目を向けず、人びとの口をついて出る決まり文句に水準を合わせる社会は、やすやすとデマゴギーと暴政にひざまずく――。社会という名の多数派のなかで生き続けた私人=詩人の小さく重い言葉。

 

ヨシフ・ブロツキイ ローマ悲歌

白い紙の真ん中に置かれた黒い言葉の塊。それは世界の中の人の大きさを思い出させる。その言葉によって「永遠」と「一瞬」が、「古代」と「いま」が停止して詩集となり、読まれることでそれはまた動き出す―。ヴェネチアに心酔したブロツキイが詩に刻み込んだローマ。

 

鈴木正美 言葉の建築術 ―マンデリシュターム研究1―

スターリンによって粛清された「流刑の詩人」という固定化されたイメージから離れて、20世紀を代表する詩人の創作の出発点となった詩を読み返し、テクストそのものとひたすら向かい合うことによって生まれたマンデリシュターム研究の成果。日本初の本格論集。

 

「新しい散文」派の問題作!

ざわめきのささやき ナールビコワ

月並みな表現で成立するのは水準以下の人間関係。言葉そのものがエロスを堪能するときに男と女の新たな関係と均衡が生まれる。

新しい散文世界を生む女性作家の究極の恋愛小説。

 

巨匠とマルガリータ ブルガーコフ

都心の公園ではじまった無神論談義が文学界の頭目の首をチョン斬ると、話は二千年の時を超え総督ピラトとイエスの対話をたぐりよせる。黒魔術師ご一行の活躍に混乱をきわめる文化の権威たち。愛する「巨匠」を助けるため悪魔の依頼を受けるマルガリータ。二十世紀を代表する傑作。

 

現代詩の新たな地平!

オード クーチク

「この作品は生態系のカタストロフをめぐる思索であり、盛期ロシア古典主義の詩学と疎外という現代的な音色が息をのむほど融合している」(ブロツキイ)。古典的詩法を現代に蘇らせ、言葉の重層的な運動の連なりでロシアの現代詩に新たな空間を切り開いた若き詩人の海への讃歌。

 

朝鮮系ロシア人作家のボーダレス・ワールド

リス 長編おとぎ話 アナートリイ・キム

獣の心にあふれた人間社会で四人の美術学校生の魂に乗り移りながら、生と死、過去と未来、地上と宇宙の境目を越えた物語を愛する人にきかせる森の小さな救い主リス。バロック的な響きを奏でる言葉が生み出す幻想的世界。

 

20世紀を代表する短編の名手!

オデッサ物語 バーベリ

オデッサを支配した偉大なギャングたちの伝説、虐殺された鳩の血とまぶしい太陽の鮮烈なイメージに彩られた少年時代のユダヤ人街の記憶。1920年代以降のロシアで熱狂的支持を受けながら粛清されたバーベリ。黒海沿岸の国際都市から生まれたロシア文学のもうひとつの世界。

 

20世紀末のロシア文学はペレーヴェンぬきに語れない!

眠れ ペレーヴェン

コンピュータゲームの世界と一体化した官庁職員、自我に目覚めて成長しはじめる倉庫、死の意味をめぐって怪談話をつづける子供たち・・・麻薬的陶酔の世界からチベット仏教までとりこんで哲学的な幻想世界へと飛翔する、現代ロシア文学の話題をさらった新世代作家の中短編集。

 

虫の生活 ペレーヴェン

人が虫に眼を凝らすとき、虫に人の姿が映しだされ人は虫と化する。フンコロガシに押される糞の球を世界とする地上で虫人たちの対話が織りなす小さく深い世界がひろがる。カフカの『変身』で始まった二十世紀文学はここに到達した!

 

ついにあらわれた禁書の全貌!

滅びの都 ストルガツキイ

万人の幸福を目指すために作られた実験都市で続発する奇怪な事件。二十世紀を象徴する社会が行き着く先は新たな地獄遍歴の始まりなのか。ストルガツキイ兄弟最後の長編。

 

プーシキンとの散歩 シャーニフスキイ(アブラム・テルツ)

プーシキンはロシアの偉大な国民的詩人?いいえ、プーシキンの魅力の秘密は軽さです。女や恋にたわむれて、夢と予兆を友として、皇帝さえもものともせず、アフリカの血を誇りとした詩人からロシア文学は始まったのです。プーシキンのイメージを塗り替えた名散文家のエッセイ。

 

ブルガーコフ 作家の運命 フセヴォロド・サハロフ

戯曲の上演を禁じられても、小説を発表する機会を奪われても、作家は書き続ける。権力に圧殺される芸術家のシンボルとなり、死後も圧倒的支持を受けつづけた作家ブルガーコフ

初期の自伝的短編からゴーゴリの影響を受けた諷刺的戯曲、最期の長編『巨匠とマルガリータ』に至る作品に秘められたドラマをたどる。

 

検察官 五幕の喜劇 ゴーゴリ

長年の不正と賄賂にどっぷりつかった地方の市に中央官庁から監査が入った。市長をはじめ顔役たちは大あわて、役人を接待攻勢でごまかして保身をはかる。ところがこれがとんだ勘違い。役人と不正というロシアの現実が世界共通のテーマとなった代表作。訳注なしで読みやすい新訳版。

 

結婚 二幕のまったくありそうにない出来事 ゴーゴリ

独身生活の悲哀をかこつ中年役人とそれをなんとか結婚させようとするおせっかいな友人。無理やり連れていった花嫁候補の家では五人の男が鉢合せして集団見合い。笑えるセリフの応酬でゴーゴリの世界を存分に味わう逸品。訳注なしで読みやすい新訳版。

2001年湯浅芳子賞(翻訳脚色部門)受賞

 

青銅の騎士 小さな悲劇 プーシキン

洪水に愛する人を奪われて狂った男は都市の創造者として君臨する騎士像との対決に向かった・・・。ペテルブルグが生んだ数々の物語の原点となった詩劇と、モーツァルト毒殺説やドン・ファン伝説の逸話を見事に凝縮させながらヨーロッパをかけめぐる「小さな悲劇」四作を編んだ新訳。

 

かもめ 四幕の喜劇 チェーホフ

新しい芸術家をめざして日々思い悩む青年コースチャと女優を夢見て人気作家に思いを寄せる田舎の娘ニーナ。時代の変わり目で自信をなくしていく大人社会に小骨のようにつきささる若者のすれちがう愛。チェーホフ戯曲の頂点に立つ名作を、声に出して分かる日本語にした新訳。