マラルメ「花々」

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マラルメの詩ですが、岩波文庫版の訳が不十分だと感じ、自分で訳しました。

文脈から察するに、本文の「君(tu)」というのは聖母マリアのことでしょう。


(本文)


ステファヌ・マラルメ「花々(Les Fleurs)」


古い青空からの金の雪崩に、

天地創造の日、星たちの永遠の雪、

まだ若く災いを知らない地球のゆえに、

かつて大きな萼たちから切り離された君、


峠の端にいる白鳥たちとともにある、鹿毛色のグラジオラス、

そして追放された魂たちの神聖な月桂樹は、

踏みつけられた恥により赤面する夜明けの太陽により

セラフィムの清らかな爪が染まるように真っ赤で、


ヒヤシンスに、愛らしい稲妻の銀梅花、

そして、女の肉体と同じ、残酷な薔薇、

明るい庭に咲いたエロディアードに、

その凄まじく輝かしい血を注ぐ!


また、君はため息の海の上を漂いながら軽く触れて、

啜り泣く百合の白さを作る、

青ざめる水平線の青い薫香が横切り、

泣いている月に向かってぼんやりと昇っていく!


崇拝の喜びの感嘆はシターンの上と香炉の中にある、

聖母マリアよ、その感嘆は私たちの辺獄の庭にある!

そして天国が夕暮れになり、その残響は終わり、

視線は恍惚を帯び、後光はきらきら光る!


おお、母よ、君の公平で強い乳房を君は創る、

萼たちは未来を詰めた細首のガラスの小瓶を、天秤のように揺り動かす、

バルサムの香りを伴って死ぬ大いなる花々は、

黄色くしおれた植物のような人生に疲れた詩人のために。