ピアノには心がある。
そのことを知った。
児玉桃さんのコンサートは、スタインウェイのフルコンサートグランドを使っていたのだが、そのピアノからはドイツ人職人の魂を感じた。
私が心の中でピアノに話しかけたら、私の耳の穴が拡張したからか、はたまたどういう理由なのかは知らないが、ピアノの音がより鮮明に聴こえるようになった。
人形やぬいぐるみに魂が宿るのと同じで、念が宿るというよりは、魂が宿っている感じだった。
桜井識子さんが神様と会話するのと同じ方法は、物にも使える。
浜離宮朝日ホールのそのピアノは、どうも私の知見や技術力や音楽的感性を買ってくれていて、好かれているようなのが分かった。
ちょっと前まではそんな奴らはこんなコンサートにはいなかったのに。
まさかそのコンサートにも、そういう選民思想を持った輩がいるとは思わなかった。
けど、そのピアノにそれを言ったら、その瞬間から「ふんっ」と笑ったような優しそうなオーラに変わり、「あいつらになんか聴かせてやらねえよw」という返答のオーラを出していた。
まさに、ドイツ人職人のような。
どうやら、そのことを分かってくれたのが、向こうも嬉しかったようだ。
つまり、ピアノも私と同じ思いだった。
もしそのピアノがニューヨークスタインウェイだったとしても、スタインウェイは元々ドイツから発祥した会社なので、あのピアノのオーラはアメリカ人というよりもドイツ人気質な感じがした。
もちろん、桜井識子さんのことについて言うならば、プロの山伏修行僧の方がコメント欄にて「プロの修行僧しか知らないはずの礼法を知っている!」と言っていたので、識子さんが「神様から直接聞いた」という話は信用に値するだろうと思う。