KIRINJI「愛のCoda」というポップス。

以前ブログに投稿した記事と被るかもしれないが。

 

 

(Facebook投稿記事) 

 

KIRINJI「愛のCoda」というポップス。

現在、全てのポップスの中で一番良い曲だと思っています。
まあ、また私が色々な曲を聴いて知識を貯めたら、「一番良い」の記録が更新されるかもしれませんが。

イントロはこんな感じ。
|B-9,F#9/A#|F#-/A,G7(#11)|F#-7,D#φ7|D△,F#-/C#,F#-,E/G#|

既にイントロの時点で和声が神掛かっていると思います。
2小節目のG7(#11)と3小節目のD#φ7が、かなり味を出しています。
なお、芸大和声をやっていた人は、BメロでG#7→G△7と流れたりするのをどう思うか知りませんが、むしろこの曲が定番的に盛り上がろうとする足を引っ張りながら異色の盛り上がり方をする感じが、私は好き。
シンセサイザーの音も絶妙です。(YouTube動画は本物の楽譜と少し違っていますが。)
全ての音色がバランスよく自分の居場所を守っています。

歌詞もすごい。
良い曲は和声も詩も良いのかと思うくらい、哲学的かつ詩的です。
冒頭Aメロは、「雨に煙った 飛行場は モノクローム」で始まります。
この歌詞を聞いた瞬間に、もはやそこら辺のポップスではあり得ない美的な情景描写が、聴き手の心にインストールされます。
下記にYouTube動画を載せておきますが、出来ればSpotifyで聴いて欲しいです。
堀込さんの歌っている時の表情も目がとろっとしており、まるで形而上の高尚な喜びに同調しているかのようで、不思議な魅力があってカッコいいと思います。



(1番の歌詞)

雨に煙った飛行場はモノクローム
傘を捨ててコートを脱ぐ
銀の翼が唸りをあげ走り出せば
窓を伝う愛のしずく飛び散った

あなたの孤独、その清しさに心奪われ
激しく求めた記憶
春の宵、光の夏、途切れたフィルム

全てを覆い隠す雲の上で
静けさに包まれていよう
不様な塗り絵のようなあの街も
花びらに染まってゆくのだろう
今はただ春をやり過ごすだけさ
地の果てで