(Facebook投稿記事)
このアルバムは後期コルトレーンらしい、フリージャズに相当する曲想で出来ています。
メロディ・ピアノ・ベース以外にもタンバリンなどが入るため、楽器数が意外と多いです。
そのため、背景観がしっかりとしています。
このアルバムは短いのですぐに聴き終わりますが、一曲ごとの完成形は素晴らしいものとなっています。
(曲名)
1. Manifistation
2. Lord Help Me To Be
3. Reverend King
4. The Sun
(以下、曲ごとの私見)
1. Manifistation
終始、良い意味で冷静さを失ったようなフリージャズらしいメロディが続きます。
中盤からピッコロの旋律が入ります。
また、カウベルも入ります。
ピアノは如何にもアリス・コルトレーンといった感じの伴奏で、人によってはちょっと聴いただけでもアリスの演奏だと分かるでしょう。
個人的にアリスのピアノの音は紫色で見えており、彼女の潜在意識にある寂しさのようなものと雅さを同時に感じます。
2. Lord Help Me To Be
3/4もしくは6/8のリズムをもって、重厚なベースが響いています。
その上には、1曲目にはあまり感じられなかった冷静さも垣間見えるメロディが流れています。
3. Reverend King
冒頭はコルトレーンたちの声から入り、すぐにストレートジャズのようなサックスのメロディが入ります。
しかし2分ほどを過ぎてからはフリージャズのカオスな旋律に変わります。
サックスがどこまでも高く昇ろうとする濃い煙のようなものに感じても、それとは対照的にピアノとベースは冷静さを保っているように思えます。
最後はまたコルトレーンたちの声が入り、何だかハッピーエンドのような雰囲気で終わります。
4. The Sun
これも冒頭はコルトレーンたちの声のメッセージから入りますが、すぐにピアノソロが鳴り、ベースとシンバルが入ると曲想は変化しアンニュイな感じになります。
太陽という惑星の神秘さをピアノが歌い続けます。
それは、古代アステカのようでもあり、宇宙工学のようでもあります。
後ろでタンバリンがシャラシャラと鳴り続け、空気振動の層を作っているかのようです。
なお、サックスは入りません。