土屋健「三畳紀の生物」、読了。

(Facebook投稿記事)

 

土屋健「三畳紀の生物」、読了。

生物ミステリープロの5巻目です。

 

三畳紀は、2.5億年前と覚えるのが良いと思います。

とにかく、この三畳紀においてはまたもや大量絶滅が起こります。

しかも、その原因については分かっていません。

足の速い生き物が生き残っている説がありますが、足の速いクルロタルシ類のポポサウルスはこの三畳紀にて絶滅するので、筋が通らなくなります。

また、隕石も衝突した形跡はあるそうですが、隕石衝突は2億1500万年前であり、三畳紀の大量絶滅は2億100万年前なので、間に1000万年以上の時間差があるため、この絶滅説も筋が通らなくなります。

 

さて、三畳紀は魚竜が栄華を極める時代です。

タラットアルコンはシャチのような姿をしており、全長8.6mにも達します。

 

タニストロフェウスという、クビナガリュウの走りのような存在も確認されていますが、キリンのように首の骨一つ一つが長いため、クビナガリュウとは異なる存在だそうです。

なぜ首が長いのか、理由については分かっていません。

 

体長2.8mのアドポデンタトゥスは、歯のある口を二つ持った海棲爬虫類です。

アドポ・デンタトゥスとは、「一風変わった歯」というラテン語です。

遊戯王デュエルモンスターズの「オシリスの天空竜」のような二重の口を持つ生物は、本当に存在していたのです。

 

最古のカエル、最古のカメも登場します。

最古のカメであるオドントケリスは腹側にしか甲羅を持ちません。

そして、カメの起源が陸か海か、それについては分かっていません。

 

また、クルロタルシ類というワニのような生物も繁栄します。

しかし、クルロタルシ類の中で生き残るのはワニだけとなります。

 

翼竜類も登場します。

エウリモルフォドンという翼竜の翼開長は1mほどです。

また、プレオンダクティルスという翼竜はそれよりも小型で、翼開長は50cmほどです。

そして、恐竜の祖先である竜盤類や鳥盤類が生まれます。

これらは、腰骨の形によって分類されます。

また、恐竜形類も登場しますが、これは恐竜ではなく恐竜の祖先です。

 

更には、哺乳類の祖先であるとされるキノドン類が生まれます。

キノドン類のエクサエレトドンは2m、プロベレソドンは30cmで、犬と鼠とワニの間くらいの形をしていたそうです。

臼歯、犬歯、切歯といった異なる種類の歯を持ちます。

 

オウムガイの仲間はセラタイト類が繁栄しますが、三畳紀にて絶滅します。

このように、オウムガイの仲間は何度も絶滅の危機に晒されますが、何とか生き残ったのはオウムガイのみです。

 

一番ロマンがあったのは、ロンギスクアマという爬虫類です。

系統は不明です。

背中には、10cmから15cmほどのスティック状の羽根的な棒が7本並んでいます。

その棒は羽根でも鱗でもなく、皮膚だそうです。

なぜそんなものが背中についていたのか、理由は不明です。

しかも、胴体下部の化石は未だに発見されていません。

 

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