土屋健「白亜紀の生物 上巻」、読了。

(Facebook投稿記事)

 

土屋健「白亜紀の生物 上巻」、読了。

生物ミステリープロの7巻目です。

 

白亜紀は約1億年前と覚えられます。

 

さて、中国北東部の熱河(ジェホル)層群は、火砕流によって生物が保存状態の良い化石となったとされている、白亜紀の地層です。

そこは、羽毛恐竜の聖地でした。

(なお、鳥類は恐竜起源です。)

例えば、ミクロラプトル・グイは後ろ脚にも翼がある四翼の恐竜であり、また、メラノソームという細胞内小器官を解析した結果、羽毛は虹色をしていたことが分かりました。

 

また、卵泥棒の学名を持つオヴィラプトルは、実際は自分の産んだ卵を温めていた所を化石にされただけで、卵泥棒ではなかったことが分かりました。

 

レバノンには白亜紀の魚類化石が多量に産出されていました。

レバノンの海における「恐ろしき捕食者」と呼ばれたのは、条鰭類のエンコダスという魚です。

 

翼竜類では、アズダルコ類が活躍します。

ケツァルコアトルスの翼開長は10mです。

 

ヘビの祖先では、小さな腕のあるパキラキスやナジュシュが誕生します。

トカゲからヘビへと進化したそうです。

 

謎のある恐竜は、デイノケイルスがいます。

その名は「恐ろしい手」という意味のラテン語であり、長さ2.4mの腕の化石だけが、モンゴルのゴビ砂漠のネメグト盆地にて発見されたのです。

しかし、現在では他の部位が見つかったため、その全貌が明らかになりました。

 

日本からも白亜紀の化石が産出されています。

アンモナイトのニッポニテス・ミラビリスは、日本古生物学会のシンボルマークにも使われています。

なお、他の国でも白亜紀の異常巻きアンモナイトは多数確認されており、また、その異常巻きになるための過程にも考察がなされています。

 

日本生まれの恐竜では、フクイラプトルやフクイサウルスがいます。

手取層群は、福井県、石川県、富山県岐阜県に跨って分布する地層で、ジュラ紀後期から白亜紀前期にかけての4000万年間に堆積したものです。

また、兵庫県丹波市からは、丹波竜のタンバティタニス・アミキティアエが発見されています。

 

このように、白亜紀は皆さんがイメージするような恐竜ばかりの世界ではなかったのです。

 

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