ジョン・コルトレーン「Om」というCDを購入しました。

(Facebook投稿記事)

 

ジョン・コルトレーンOm」というCDを購入しました。

アメリカのインパルス社製盤です。

 

このアルバムは「Om」という1曲のみが入っており、28分ほどです。

これはフリージャズとして有名だと思われます。

最初は「ヴェーダによって授けられたしきたりと、経典によって教えられた儀式」などという、スピリチュアルな呪文を唱えるところから始まります。

その時にカチカチ鳴っているマリンバのような楽器や、鈴のような打楽器が何なのか、また、その演奏者は誰か、更には、文言を唱える声の主が誰なのかは不明(Unknown)だそうです。

そこから、コルトレーン自身が神に助けを求める苦痛の叫びがテナーサックスによって始まり、それにファラオ・サンダースによるもう一つのテナーサックスによる叫びと、エルビス・ジョーンズのドラムと、マッコイ・タイナーのピアノが入ります。

更には、バスクラリネットやフルートも背景で鳴っています。

そして、中盤にはピアノソロとドラムだけの部分がありますが、再び管楽器群が盛り上がりを見せた挙句、最後はまた鈴と呪文で終わるという起承転結があります。

その呪文の声と打楽器がまた心にぐっと来るのです。

 

なお、サックスがこれだけフラジオ(ハーモニクス)を連発して狂気の叫びを上げているのに対し、ピアノとドラムが意外と冷静さを貫いているのが面白い所でもあります。

このピアノとドラムはかの「至上の愛」の時のメンバーでもあり、至上の愛が1965年の2月に録音されたのに対し、Omは同年の10月に録音されました。

この頃のコルトレーンにはまだ「Stellar Regions(1967)」のような冷静さはあまりないのですが、感情による勢いのようなものは大きく感じます。

 

ちなみに、ジャケットに描かれたネックレスにはサンスクリット語のオーム()という文字が描かれております。

 

最後に、冒頭および末尾によって唱えられる呪文の文言と、その日本語訳を載せておきます。

 

(呪文)

 

Rites that the Vedas ordain, and the rituals taught by the scriptures

All these am I, and the offering made to the ghosts of the fathers

Herbs of healing and food, the mantram, the clarified butter:

I the oblation and I the flame into which it is offered

 

I am the sire of the world, and this world's mother and grandsire

I am He who awards to each the fruit of his action:

I make all things clean

I am OM...

 

(拙訳)

 

ヴェーダによって授けられたしきたりと、経典によって教えられた儀式。

全てのそれらは私であり、先祖の亡霊たちに捧げるものである。

治癒のハーブと食物、マントラ、透明なバター。

私は奉納されしもの、そして、私はその中に身を捧げる炎である。

 

私は世界の主であり、この世界の母神であり、祖父神である。

私は神の行動に報酬を与える主である。

私は全てのものを浄化する。

私はオーム(終わりであり始まりでもあるもの)である

 

https://open.spotify.com/track/1eX1JpUBIWlC2cVvrBrcEC?si=0_zjP1qFS2ynlu8UJgU3ww