ジョン・コルトレーン「Ascension」の海外盤CDが届いた。
やはり、図書館で借りた日本盤よりも音が良い。
何だこの、聴けば聴くほど身体から毒が流れ出て行く感じは。
まるで、私の心の傷や叫びを代用して歌ってくれる感じが心地良い。
コルトレーンの「Ascension」と「Om」はマジで神。
今だったら、彼の気持ちが分かるよ。
なお、知らない人のために言うと、Ascensionは1曲40分のフリージャズだ。
ちなみに、この海外盤CDだとEdition IIとEditionIが入っており、この2曲のうち、コルトレーン自身によってIIの方が正規とされている。
どちらも素晴らしいし、どちらも1曲40分ほどだ。
「聴けば聴くほど身体から毒が出る」っていうのは、ヒップホップについてキングギドラか般若か誰か歌詞で言っていた。
でも、私からすると、ヒップホップを含めたポップス音楽には身体(耳)に悪い成分が僅かに入っている感じがするので、疲れる。
普通はそのせいで脳が快感物質を出して、音による毒を中和させ、ポップスへの依存を生むはずなんだけど、私はクラシックやジャズの生音(たとえそれが電子音楽でも録音は生音と同じだ)の良さを知ってしまったから、もうそういったジャンクフードの依存症には戻れない。
その点、コルトレーンのフリージャズはそういう意味での自然素材だけで作られているので、音がうるさくても疲れない不思議がある。
なお、相変わらずピアノのマッコイ・タイナーだけは、皆がギャーギャー騒ぐような演奏をしている中、冷静さと秩序を保った演奏をしている。
それは、後にリリースされたOmの時もそうだった。
ちなみに、ドラムのエルビン・ジョーンズはAscensionの録音の際、「やってらんねーよ!」とキレたらしいが、確かにそう言われて聴いてみると、特にEdition IIの方はどこか投げやりな感じが出ている気もするw
この曲(アルバム)は比較的聴きやすいと言われるが。
確かに聴きやすい。
しかしそれは、濃厚さが失われたという意味では全くない。
熟成された濃厚さは、ちゃんとある。
なお、どちらのEditionにもベース(コントラバスとしての擦弦)によるソロが入る。