作曲家の中で一番「天才」なのは誰か?
モートン・フェルドマンじゃね?
特にモートン・フェルドマン「トライアディック・メモリーズ」は最高傑作かもしれない。↓
https://open.spotify.com/album/1jSPZUBDNd9g1Xj0hEdMD7?si=PYGECm_lSZqhUiWuHeA3pA
ちなみに、上記よりも良い演奏のトライアディック・メモリーズもあるけど、そのCD、なんとピアノが要所々々で二度打ち。
演奏も良いし、ピアノの音も良いし、ピアノの調律も良いのに、ピアノがトトーン!と二度打ちしまくり。
それはオランダ人演奏家の録音なんだけど、オランダの調律師ってほんとヘタレだなぁ。↓
https://open.spotify.com/album/1qN40edD0mqwW8LuU2PCcQ?si=O58qOnemQw6pXhI153EyZQ
なぜモートン・フェルドマンが天才なのかというと。
別にこの人、最初から良曲ばかりを生み出していたわけではないし、図形楽譜をやめた1970年以降からあのフェルドマンらしい音楽が生まれて来るので、まあまあの遅咲きではある。
だけども、このフェルドマン独特の音楽って、これまでのクラシック音楽を踏襲していないし、前列らしきものがないわけよ。
つまり、ほぼ全くのゼロからこの音楽を作り上げたのだから、まるである時期から神託みたいなのが降りたみたいな感じでもある。
もちろん、リゲティ・ジェルジュは確かに秀才ではある。
けど、リゲティの作曲の考え方って、それまでの現代クラシック音楽の延長上にある考え方なんだよ。
モートン・フェルドマンは、ここまでの完成度の曲をゼロから作り上げているからね。
単調な上に曲が長いのにも拘らず、聴いていて飽きないでしょ?
それな。
それこそが完成度の高さなんだよ。
一音一音の組み合わせを精密に作っているし、リズムも一小節ずつ精密に作り上げている上、曲がこれだけ長いのに彼の頭の中では「曲の全体像」を全部把握しながら作曲していったんだろうね。
音楽って、同じ曲を何度も何度も聴いて(弾いて・作って)いれば、全体像は把握出来るから。
ちなみにこのトライアディック・メモリーズという曲は、決してシェーンベルクの12音技法で出来ているわけではないよ。
聴けば分かるけど、無調と有調の間を絶妙に行ったり来たりして、独特の和声法を絶妙に使いこなしている。
時々こうしたガチの天才が現れる。
ちなみに、妻のバーバラ・モンク・フェルドマンの曲も聴いたことがあるけど、モートン・フェルドマンに比べたら一見似てはいるんだけど、全然ダメ。
深みが足りないので、偽物臭がする。
深みって何か?
それは、作曲に対する執念とか、ものの考え方の掘り下げ度合いとかに由来するんだろうかと思う。