ソクラテスは神託をすごく大事にしていた。

今でいうと、易占いみたいなものだ。

彼の弟子が、「ソクラテス以上の賢者はいるか?」と神託所の巫女に尋ねた所、「ソクラテス以上の賢者はいない」と答えた。

しかし、ソクラテス本人は、「真の賢者とは、自分の知恵が無価値であることを自覚している者である」と言った。

つまり、神託による神の知恵に比べたら、自分の知恵など無価値に等しいということ。

それ以来、ソクラテスは神の代弁者として、貧困生活も厭わず生を捧げることとなった。

 

(以下、Facebook投稿記事↓)

 

下記の話が本当かどうかは知らないが、ソクラテスはそんな理由で哲学者になってしまった。
私はギリシャものをほとんど読んだことがないが、フランス文学を読んでいたらこういう話題に行き当たってしまった。
なお、ダイモンとは、古代ギリシャにおける精霊のこと。
パスカルキニャール・コレクション「落馬する人々」、p.90
(引用)
ある日、彼のダイモンがソクラテスに言った。
「一頭の馬の背中に乗った虻になれ」
ダイモンが発した意味深な言葉を不条理な方法で事後的に翻訳したのは、もちろんソクラテス本人だった。
彼はその言葉の意味を次のように信じたのである。
「都市(シテ)の街かどの哲学者になれ。市民たちの脳みそを鑿(のみ)の一振りのように刺激するのだ。そしておまえの町の名声のために死になさい」
ところが、彼のダイモンはただ次のように言いたいだけだったのだ。
「一頭の馬の背中に乗った虻になれ」