いろんな説があるけど、不登校って別に悪いことではない。

時間は、使い方次第。

武満徹は、中学校を登校拒否していた。

彼いわく、戦後の荒廃に伴って学校が荒れていたらしく、「行く意味がありませんでした」と言っていた。

その代わり、民家に出向いて「ピアノを弾かせてもらえませんか?」と尋ねて回った。

なぜか知らないが、民家から拒否されたことは一度もなかった。

彼は芸大の入試に落ちてしまった。

その分、世界中の誰にも成し得ない、武満にしか作れない独特で繊細な曲を作り続けた。

恐らく、彼のよく使うジャズ的な和声は、全て独学だ。

下手したら、ジャズハーモニーの教科書すらも読まずに、ただひたすらレコードを繰り返し聴いて、身体で覚えた可能性がある。

もはや、理論からではなく、その全身から曲が出来ている。