ジョン・コルトレーン「Om」では、ジョン・コルトレーンのテナー・サックスは中央からやや左から聴こえて来る。
そして、ファラオ・サンダースのテナー・サックスは、やや右から聴こえて来る。
これは、「Ascension」の時もそう。
ファラオ・サンダースはコルトレーンに比べてやや柔らかめの旋律を奏でるので、個人的にはあまり好きではないが、それでもコルトレーンの尖った音と混ぜると化学反応を起こして、良い媒質になっている。
それと、「Om」の時に喋っている声の主はUnknown(不明)だそうだが、確かに不明だ。
なぜなら、コルトレーンがサックスを鳴らしている背後で声が聴こえて来る時があって、声の主がコルトレーンではないことがはっきり分かる。
それは、民族的打楽器を鳴らす人と同じ人たちである可能性がある。
ちなみに「Love Supreme」では、声の主はコルトレーンだと思うが。
そして、「Om」ではやはり、フルートがあるのは素晴らしい。
背景で鳴っているフルートの音が亡霊の叫びみたいになっていて、豊かに味が出ている。
ほんと、自分で何度も言っておいて何だが、「Om」は何回聴いてもダシが取れる。
そろそろ飽きる頃かな?などと思いつつ聴き続けている最中なのに、飽きるどころかどんどん深みにハマって行く。
嫌いっていう人は最初の2分で拒絶反応が出るが、好きっていう人は何回聴いても心に沁みるものがある。